Book8看板 Dragon Sword Saga8 〜Ⅲ.-2〜
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~ 第8巻『古代の魔法』 ~

剣月青ライン  Ⅲ.『廃墟のアジト』 妖精青アイコン2 ~ 魔道士と吟遊詩人 ~  剣月青ライン

 そこは、暗い森であった。  地上のどこともつかない、薄気味悪い緑色をしたツタばかりが、痩せた木に、絡み 付いている。  みしり  枯れ枝の地面を踏みしめる、ひとりの男がいた。  夜のような漆黒の髪にマント、碧色の瞳に、整った面(おもて)。  それは、ダグトが、血眼になって探している、ヴァルドリューズその人であった。  真っ赤な地に、派手な黄色い斑点のあるヘビが、木の枝に緩く巻かれたロープの ように、何重にもなって、巻き付いている。  目ばかりが大きく見開かれた、奇妙なトリもいる。  その中を、黒いマントに身を包んだ、その男が、平然と通り抜ける。  ギャア、ギャア!   暗い夜のような空では、不吉なトリの鳴き声が、響き渡っていた。  普通の人間であれば、真っ先に、逃げ出したくなるような黒い森だ。  ヴァルドリューズは、顔を上げて、空を見つめた。  星はない。  ここがどこであるのか、見当もつかなかった。  自分の目指し、求めていた場所とは、似ても似つかぬところであることと、異次元 の森であることには、違いなかったが。 「やっと見つけた。こんなところにいたのかい? 」  不気味な森にふさわしくない、明るい声がし、それは、ヴァルドリューズの目の前 に、ふっと現れた。宙に浮かんだ格好で。  その目の前に現れた美少年には、関心がないのか、眉ひとつ動かさない。  関心がないどころか、驚きもしなかった。 「ごめんよ。今日は、なんだか用事がいっぱいあって、しかも、全部タイミングの 難しいことばかりだったもんだから、ちょっと手間取っちゃってさ。でも、もう用は 全部済んだから、やっと、きみを、目的のところまで送っていけるよ」  ヴァルドリューズは、碧い切れ長の瞳を、美少年に向け、初めて口を開いた。 「お前が、私をここに連れてきたのだろう。今さら、何を言う」  平坦な落ち着いた声で、ヴァルドリューズが返す。 「だから、おわびに、きちんと送り迎えしてあげるって、言ってるじゃないか」  中性的な顔立ちの、自分を吟遊詩人と名乗る華奢な少年は、からかうような茶色の 瞳で、東方の魔道士を眺めた。 「余計なお世話だと、言ったはずだ」  ヴァルドリューズが、無表情で、冷たく突っぱねる。  彼の、自分を信用していない目に気付いた吟遊詩人は、弁解を試みた。 「そう言わないでさぁ。ねえ、怒らないでおくれよ。あの妖精のおちびちゃんを、 助けたいんでしょう? 僕も、是非きみには、彼女を救い出してもらいたいんだから さぁ。そのためには、協力するって、言ってるじゃないか」  馴れ馴れしい吟遊詩人に、ヴァルドリューズの碧眼が、じろりと向けられる。 「なぜ、お前が、そんなことをする? 」 「僕が今、護ってる人には、是非必要なんだよ、妖精の力が。その護っている人って のは、きみの関係者でもあるんだけどなぁ」  ヴァルドリューズは、そのまま油断のならない目で、美少年を見る。 「いい加減なことを言うな」 「いい加減なんかじゃないよ。きみと一緒に旅をしている人だよ」  吟遊詩人は、にっこり笑った。 「知ってるはずだよ。ドラゴン・マスター・ソードの使い手、ケイン・ランドールを。 ね? ヴァルドリューズ」  ヴァルドリューズは、目の前で微笑む吟遊詩人を名乗る少年を、黙って見つめた。  だいたい、彼は、ヴァルドリューズに、「困っている人がいるから助けて欲しい」 と、そう言って、さかさまの森から、彼を連れ出したのだ。  だが、実際には、この暗い森に置き去りにしたまま、どこかへ姿をくらませて しまったのだった。  というのも、ケインたちを、ドラゴンの谷へ送っていったとは、ヴァルドリューズ でさえ知らない事実だ。 「困っているという話は、嘘だったのか」 「嘘じゃないよ」  吟遊詩人は、けろっとした顔で答えた。 「では、その困っているという連中は、どこにいる? 」 「それは、『これから』の話なんだよ」 「これから……だと? 」  ヴァルドリューズの目が細められる。  吟遊詩人は、ふと顔を上げて、真っ暗な空を見渡すと、視線を、ヴァルドリューズ に戻した。 「もう行こう。そろそろ見つかってしまったかも知れない」  ヴァルドリューズは、そのセリフに驚くわけでもなく、不思議にも思わず、問いか けた。 「また別の次元へか? 」 「そのとおり。さすがに、察しがいいね」  吟遊詩人と、長身の魔道士の姿が、そこから、ふっと消えた。  と同時に、ひとりの男が、姿を現した。 「やっと見つけたと思えば……ちっ! 」  ダグトは、悔しそうに、顔を歪めた。  ヤミ魔道士を取り締まっている最中、他の魔道士の目を盗み、あちこちの次元を 覗いていたダグトは、森の中を飛び回っていたが、ヴァルドリューズの痕跡も何も 掴めないことがわかると、悔しそうな表情で、姿を消した。


マップとロッド

「遅かったな、ダグト。どこへ行っていた? 」  ダグトが魔道士の塔に戻ると、魔道士のひとりがやってきた。 「なんだ、ドーサ。お前には、関係ないだろう。ヤミ魔道士を追って、ちょっと遠出 しちまったんだよ」  ダグトは面倒臭そうに答えた。  頬のこけた、少し悪役顔の中年魔道士は、上目遣いで、ダグトを見返した。 「貴様と同じ班の奴らとは、最近、別行動を取ることが多いらしいな。それに、 こんな話も聞いたぞ。お前は、あのヴァルドリューズを見つけておきながら、 みすみす逃がした、ともな」  ダグトがドーサを睨む。 「へっ。そんなこと、お前が、俺に言えたもんかね? お前こそ、トアフ・シティー で、ヴァルドリューズと他のヤミ魔道士どもを取り逃がしたって話じゃねえか」  ドーサの顔が、ほんの少しだけ紅潮した。 「私の場合は、他のヤミ魔道士のこともあったから仕方がないとしても、お前は、 昔から、ヴァルドリューズに対し、執着していた。そのせいで、ヤツを逃がしてしま ったのではないのか? 」  ダグトが、カッとなって、ドーサを見る。 「俺は、昔から、あいつを知ってるんだ。昔から、あいつが憎かった。今度こそ、奴 を取っ捕まえられると思ったにもかかわらず、とんだ邪魔が入りやがったんだよ!  あんな奴が、仲間にいたとは……! お前が、トアフで、奴らを見た時の報告では、 聞いていなかったぞ! それさえも、見逃してたんじゃねえのか!? 」 「少しは、落ち着かぬか。どのような奴だというのだ? 」 「男か女かわかんねぇ、妙に、なよなよした奴だよ。あの野郎、普通の人間が迷い込 んだら、二度と出て来られねえ異次元の森から、簡単に姿を消しやがった! そいつ が、ヴァルドリューズを連れ去ったんだよ! 」  興奮するダグトに対し、ドーサは、落ち着きを取り戻しており、腕を組んだ。 「私がトアフ・シティーで見かけた時は、ヴァルドリューズと一緒であったのは、 ベアトリクス王女と、神官のなりをした娘、旅の剣士二人のうち、ひとりは、長い 金髪の青年、もうひとりは、栗色の髪の青年であったが……? 」 「そのどれでもねぇよ。おめえの調べが足りないのか、トアフの後に知り合ったのか は知らねえが、とにかく、妙な女男が何者なのか、おめえも知っておいた方がいいん じゃねえか? あいつは、絶対に正規の魔道士なんかじゃねえ」  ドーサは眉間に深く皺を刻んだ。 「また新たなヤミ魔道士が出てきたか……。ダグト、後で報告書を提出するのだぞ」 「わかってるよ。けっ! くそ面白くもねえ! 」  ダグトは近くにあった書類の箱を、蹴飛ばした。 「それからな、ダグト、ガーネスト殿がお呼びであったぞ。お前に聞きたいことが あると、おっしゃっていた。早く行ってこい」  無言でドーサを通り越すと、他の魔道士たちがテーブルで書き物をしている中を 抜け、ダグトは扉の奥へと向かった。 「まったく、あいつは、未だに魔道士には向かんな」  ダグトの背を見つめながら、ドーサは、溜め息混じりに呟いた。  扉の向こうでは、少数の魔道士たちが、水晶球や、刻印のされた石を連ねた輪など を手に、目を閉じ、精神を集中させていた。  ダグトは、その中をすり抜け、奥に座っている、頭の禿げた、白い髭の、厳格な顔 つきをした老人の前まで行き、跪(ひざまず)いた。 「ガーネスト殿、ただ今戻りました。ご用がお有りだと聞きましたが、如何(いかが) なことでしょう? 」  ガーネストは、ダグトを見下ろし、口を開いた。 「単刀直入に言う」  重い声が、語り始めた。 「ドーサから聞いたと思うが、近頃、お前の行動は、少し妙だと思ってなぁ」  ガーネストの後ろから、二人の中年魔道士が、すっと現れる。  険しい表情で、二人は、それぞれダグトを見下ろした。 「お前のヴァルドリューズに対する執着は、今に始まったことではないが、それは、 奴が現役の頃から注意しておいたはずだ。魔道士同士は、相手がすぐれているからと いって憎んだり、妬(ねた)みを持ったり、羨ましく思ったりしてはならぬ。同じ正規 の魔道士として魔道士の塔に尽くし、発展させることに協力しなければならぬ」 「それを、お前は、ヴァルドリューズを敵対視するあまり、当時は蹴落とそうとさえ、 しているかのようだった。奴が現役の頃から、我々も、お前には、再三再四に渡り、 注意をしてきたはずであったが、未だに、お前には伝わっておらぬようだ」  ダグトは下を向いたまま、唇をかんだ。  二人の魔道士の話は続く。 「ただ捕えればよいものを、自分の思い入れから、彼を魔道士の塔には引き渡さず、 個人的に恨みをはらそうとしているのではないか、との見方もある」 「もし、そのような理由で、彼をここへ引き渡すつもりがないのだすれば、近いうち、 お前にも処罰が待っているぞ。その上、ヴァルドリューズを取り逃がそうものならば、 処罰は、さらに厳重なものとなろう。わかっているな? 」  三人の魔道士たちの威圧的な空気が、ダグトの上にのしかかる。 「お前を呼びつけたのは、まあ、このようなことだ。お前たちは、もう下がってよい ぞ」  脇にいた魔道士二人を下がらせると、ガーネストは椅子から立ち、ダグトに背を 向けた。 「これは、ワシしか聞いておらぬ話だが……」  ダグトは、頭を低くしたまま、黙っている。 「お前には、もうひとつ妙な噂もある。上層部で内密に、ずっと保管してきたものが、 突然消えたそうだ。知っての通り、魔道士協会の人間以外は、ここに、ましてや上層 部になど入ることは出来ぬ。従って、内部の人間の仕業と考えるほうが自然であろう。 そのものの行方に、お前ならば心当たりがあるのかも知れぬと囁かれているのだが、 どうだ? 身に覚えはないか? 」  ガーネストは目だけを、跪いているダグトに向けた。  ダグトの様子は変わらず、冷や汗を流すでもない。ただ屈辱に唇を噛み締めている。 「なぜ、自分の名前が、そこに上がったのでしょうか? 」 「確かな証拠はないそうだ。だが、お前の行動を見ていると、今までとは違う魔法を も操るようになったのではないかと」 「例え、上級の魔道士であっても、修行はかかさぬものです。出来なかった技が出来 るようになることが、それほどに、珍しいことでしょうか? 」 「その『出来るようになったこと』は、普通の黒魔法でも、白魔法でも出来ないこと だ、と聞く」  ダグトが、一瞬、黙る。 「それでは、いったい、私に、何が出来るようになったと言うのでしょうか? それ が、普通の黒魔法ではないのだとしたら、どんなものだというのでしょうか? 」  ガーネストは、その質問には答えずに、続けた。 「とにかく、最近のお前の行動には、反省すべき点が多い。ヤミ魔道士取り締まりの 他にも、提出してもらう報告書は多いぞ。以後、気を付けるように」  ガーネストは、ダグトに背を向けると、それきり口を閉ざしてしまった。  ダグトは挨拶をし、出て行った。 (なんだってんだ、あのじじい! いっつも、俺ばっかり叱りやがって! )  ダグトがイライラしながら自分のテーブルにつき、羽ペンで、カリカリと、山積み になっている羊皮紙に書きなぐる。 「ダグト、さきほども言ったが、ヴァルドリューズと一緒にいたという男の特徴も、 出来るだけ詳しく書くのだぞ」  ドーサが背後から念を押す。 (わかってるよ。まったく、いつもうるせーんだよ、てめえは! 威張ってんじゃね え! )  ドーサが、ダグトを振り返る。 「『心話』で悪態をつくのはよせ」 (ふん! どいつも、こいつも、気にいらねえ! )  ダグトは黙ったきり、書類の山を片付けていった。


東洋飾りライン

「こうやって、ちょっとずつ、いろんな宝石を削っていって合わせると、まじないの 効果が出て来るんですって」  ミュミュは、言いながら宝石をナイフで削るラン・ファの手元を、テーブルの上に、 腹這いになって、眺めていた。 「その粉をナイフにふりかけると、ちょっとした対魔物用になるの。どのくらいの 魔物にまで通じるのかはわからないけど、ただのナイフよりは使えるでしょう」 「ふうん。おねえちゃんは、どうしてそんなこと知ってるの? 」  ミュミュは不思議そうに、ラン・ファの黒い瞳を見上げた。  ラン・ファが手を止める。 「私には、魔道士のお友達がいるの。知り合って、まだ間もないんだけどね。その人 から、教わったのよ。彼のオリジナルの魔法みたいで、魔道士の塔さえも知らない ことなんですって。だから、他の魔道士には絶対内緒にって、言われてるの」  ラン・ファは人差し指を唇に当て、片目をつぶってみせた。  ミュミュも真似をして、指を口に当てる。 「わかった。ミュミュ、絶対言わないよ」 「そう、いい子ね」 「その人って、どんな人? ラン・ファおねえちゃんの彼氏? 」  ラン・ファがくすくす笑った。 「ただのお友達。そうねえ、魔道士にしては、ちょっと変わった人だったかも知れな いわ」 「どこにいるの? 」 「南の方の国よ」 「南の国!? 」  ミュミュが瞳をくるくると輝かせ始めた。 「ミュミュ、南の国に行ったことない! カイルが言ってたけど、南の国って、 こっちとは全然ふんいきが違うんだってね? 美味しい果物や食べ物がいっぱい あるんだって! 」 「そうよ。こっちの大陸と違って、海の向こう側の国とも取引があるから、本当に いろんなものがあるのよ」 「ミュミュも行ってみたいなー! 珍しいもようのトリさんとかもいるんだってね?  ミュミュ、そのトリさんに乗ってみたいなぁ! 」  ミュミュは、うっとりと天井を見上げた。  ラン・ファは、そんなミュミュを、微笑ましく見つめていた。 「ここを出られたら、ヴァルドリューズにでも連れていってもらうといいわ。カイル くんにも案内してもらったら? 」 「うん! ミュミュ、そうする! 」  ミュミュは立ち上がって、テーブルの上で飛び跳ねた。 「おねえちゃんも行こう」 「えっ? 」 「ラン・ファおねえちゃんも、ミュミュたちと一緒に行こうよー! 南の国には、 お友達もいるんでしょう? 」  ミュミュは、ラン・ファの手を引っ張った。  ラン・ファが、少し浮かない顔になった。 「……先のことは、わからないわ」 「なんで? どうして? ここを出たら、マリスに用があるんじゃなかったの?  その後、おねえちゃんも一緒に旅をすればいいよ。ミュミュ、みんなとも、おねえ ちゃんとも一緒にいたいし、マリスだって、おねえちゃんと一緒なら淋しくならない と思うよ」  ラン・ファがミュミュを見た。 「マリスは、淋しがってるの? 」 「ううん。野盗とかやっつけて楽しんでるよ。だけど、たまに、ベアトリクスのこと、 思い出すみたい。そういう時は、なんだか、ちょっと淋しそうだったよ」 「そう……」  ラン・ファは、マリスの幼い頃を思い浮かべた。  短い黒髪に、黒い瞳の元気な少年ダンとは、いつも一緒だった。  当時は公子の身分であった、現在のベアトリクス王子セルフィスと三人で、楽しく 過ごしていた。マリスが、国王の娘だと発覚するまでは。 (王女と正式に認められてからは、ダンが国を出てしまい、私も旅に出てしまった。 恋仲だったセルフィス様とも婚約者となった彼女の人生は、順風満帆だと思っていた。 だから、安心してベアトリクスを出たのだけれど……)  今からちょうど一年前、マリスと偶然会えた時のことを、ラン・ファは思い出す。 (一年前に再会した時、私には、どうも、あの子がヤケになっているようにも見えて ……。ベアトリクスでの陰謀で、まさか、亡命していたなんて……。あの子が大変だ った時に、一緒にいてやれなかった。それを補うように、一年前は、しばらく、あの 子とも過ごした。ヴァルドリューズと彼女の召喚魔法の訓練も、険悪な感じで、心配 したけど、ヴァルドリューズも、最初に出会った時ほど冷酷ではなくなってきたから、 彼に任せて、旅立たせてしまったけれど……それは、私たちの都合もあった)  ラン・ファは、ヴァルドリューズの無表情な顔を思い浮かべると、沸き上がる強い 感情を振り払うように、思わず、視線を横に、窓の外に向けた。 (私は、もっと、マリスのそばにいてあげなくちゃ、いけなかったのかも知れない。 なのに、いつも私の都合で……! )  複雑な想いにかられているラン・ファに気が付いたミュミュは、ラン・ファの手を 揺すった。 「おねえちゃん……? どうしたの? マリスが心配なの? 」  ラン・ファは我に返り、心配そうなミュミュの頭を、やさしく撫でた。 「そうね。ちょっと心配だわ。ここを出たら、マリスに会って、とにかく話をして みるわ。一緒に旅をするかどうかは、あの子の様子を見てから考えるわ」 「じゃあ、おねえちゃんも、一緒に旅をしてくれるかも知れないの!? 」 「まだわからないけど、マリス次第ね」 「一緒に行こう! 一緒に行こうよー! 」  ラン・ファは、必死に訴えるミュミュを愛しく思い、ミュミュを手に乗せると、 その小さい頬に、チュッと口づけた。  ミュミュも嬉しそうに、ラン・ファの頬に、口づけを返した。  そこへ、突然、ドアを開ける音がし、黒いマント姿が現れた。 「ダグト!? 」  ラン・ファの声に驚いて、ミュミュがテーブルに飛び降り、ラン・ファの影に隠れ た。


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