Book5看板 Dragon Sword Saga5 〜Ⅱ.-1〜
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~ 第5巻『点と線』 ~


剣月緑ライン  Ⅱ.『魔道士の塔の魔道士』 妖精緑アイコン1 ~ 博打屋 ~  剣月緑ライン
トアフ・シティー

「よお、ケイン」  食堂を出てすぐ、偶然カイルに出くわす。 「ちょうど良かった。今、バクチ屋に行くとこなんだけどさ、お前も来るか? 」 「お前、昼間、マリスと一緒に稼いでるじゃないか。マリスとバクチ屋から出て来た のも、この間、見たぞ。その金は、旅の資金のためじゃなかったのかよ? 」 「だから、それを、バクチで更に大きくするんじゃねーか。どうも、マリスと一緒 だと、負けることが多いんだ。あいつもバクチは強い方らしいんだが、……もしかし たら、運の良い同士は相性が悪いのか、それとも、俺の剣に棲む精霊さんが機嫌損ね るんだかは知らないが。なあ、付き合えよ。お前は、何も賭けなくていいからさ。 俺の腕前を見せてやるぜー! 」  ケインは、カイルに無理矢理引っ張られていった。 「カイル、いつまで戻らないつもりだ? クレアなら、『潔癖性』は、大分治って きたみたいだぜ」 「へー、そうか」  博打屋は込み合っていた。客たちのふかすタバコの煙で、見通しが悪い。  マリスとストリート・ファイトをしていた見覚えのある体格のいい者を、見かける。  そこでは、正六面体の角をカットされた小さいダイスを使い、刻まれた柄を当てる ゲームをしていた。  ケインが目を留める。動物の牙や骨らしいものや、木で出来ているものもある。  彼の隣では、どのゲームに参加しようかと、カイルがきょろきょろしている。 「やっと自由になれたんだ。今までは荒野だとか、変なモンのいる砂漠だとか、変な 種族のわけわかんねー仕事なんかさせられたり、たまったモンじゃなかっただろ?  自由になった時くらい、遊んでおかないと、またいつ遊べるかわかんねえもんな」  目だけを動かしながら、カイルは真面目な口調で語っていた。 「良かった。もしかして、お前が、メンバーから抜けちゃうんじゃないかって、 ちょっと心配したんだ」  カイルは、そう言ったケインを振り返り、にやっと笑った。 「考えてもみろよ。どこが自分にとって安全な場所か。強いヤツの側だよ。そうだ ろ? 」  彼らしい答えに、ケインは笑う。 「俺は、自分の腕も実力も限界もわかってる。クレアのように努力家でもない。 っていうと、コインザメみたく強いヤツにくっついてるのが一番得なわけよ。だから、 俺は『マドラス』が女だって知らなくても、ヤツに付いて行ったんだ。  幸いにして、『マドラスちゃん』は、暴れるのが好きだから、魔物を退治する時で も、俺にノルマは課さないしな。おまけに、あんなヤクザな金儲けにも強力してくれ る……っつうか、もともとあいつが思い付いたんだっけ。単に正義を振りかざすヤツ だったら、こうはいかない。  あいつには、あんまり正義とか、そういうつもりはないみたいだから、俺もやり 易いんだよ」  一度区切ってから、彼は付け加えた。 「お前は別だけどな、ケイン。正義感は強くても、お前は話のわかる方だと思ってる よ。あんまりカタイことも言わねえしな」  カイルは照れたように微笑んでみせた。ケインも、微笑んで応える。  カイルが、あるテーブルの前で足を止めた。  カードゲームのコーナーで、四人くらいがテーブルにつき、周りには大勢人が集ま っている。  そのまましばらく観察していたカイルであったが、ふとまた語り始めた。 「お前もさ、クレアの特訓も大事だけど、たまにはマリスの相手もしてやれないか?  今日だって、見てたか? あんなに大勢の強そうな男どもを――あれは、三〇人以上 いたぜ――どんどん投げ飛ばしていって、終わった後、一言、『物足りない』って 呟いたんだぜ。  ま、俺が、あんまり本領発揮するなって言ったから、思いっ切り出来なかったせい もあるんだろうけど、これまでは、お前ひとりでも足りてたわけだろ? あいつも、 お前の実力を、充分認めてるんだよ」 「男三〇人分か……」  ケインは、ちょっとだけ誇らしかった。 「だけど、マリスは、さっき、砂漠でトカゲを取り合ったダイとかいう傭兵と、今度 特訓するらしいぜ。ヤツは格闘マニア? なんだとか。結構、強いかも知れない。 強ければ、この先、あいつと特訓していきたいみたいだった」 「ああ、あいつ、また現れたのか」  カイルは、バカにしたように、鼻で笑った。 「あんなヤツ、ケインに比べたら、たいしたことないさ。あの一緒にいる金髪キザ男 は、もっとたいしたことないだろうけどな」  ククッと笑うと、カイルは、ポケットに手を突っ込み、持ち金を確認し、ゲームが 終わって席を立った男と入れ替わりになった。 「見てろよ、ケイン。俺の強さを見せてやるぜ! 」  賭け金をテーブルの中央に放ると、その後、カイルは、後ろにいるケインを振り 返らなかった。


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 ゲームは、店の男【ディーラー】が、革のカードをよく切り、テーブルに着いた 四人の参加者【プレイヤー】に配る。あくまでも配る役である。  手札は常に五枚。  残ったカードは、テーブルの中央に、四つの山として置かれていた。  参加者は、順番に好きな山からカードを引いたり、捨てたり、拾ったりしながら、 カードの絵柄や数字を組み合わせて、ヤクを作っていくのだった。  ひとりが上がれば、その時点でゲーム終了となり、出来上がったヤクの大きさで、 賭け金の倍率が決まる。  世の中で、特に人気のある、簡単なカードゲームだった。  カイル以外の三人は、ガッチリとした体型で、いかにも金持ちだと見せ付けている 高級葉巻をくわえている者と、モヒカン刈り、ボサボサ髪の人相の悪い者だった。  衣服は町人のような、皮のチュニックや、ブーツ姿ではあったが、時々、目配せを していたり、にやにや笑い合ったりしている。  ケインは、この三人は野盗や盗賊の輩で、仲間同士であると踏んだ。 (きっと、カイルのことをカモにしようとしているに違いない)  当のカイルは、そんなことは気にしていないように、何気ない仕草で、カードを 引いている。  思わず、カイルに忠告したくなったケインであったが、ゲーム中に話しかけること はイカサマと見られてしまう。場慣れしているカイルなら、とうに気付いているかも 知れない、と思い直し、見守ることにした。 「アガリだぜ」  カイルが手札を伏せて、テーブルに置いた。  その時点で、四人とも、手札を見せることになる。 「なにぃ!? 」 「もうアガったってのか!? 」  驚いたのは【プレイヤー】だけでなく、周りの人垣もであり、ケインもだ。 「『青の龍』が一枚に、『黄色い魚』が四枚。ミクロ・ツーペアだぜ」  カイルのカードが、表に返される。 「そ、そんなチンケなヤクで、俺様のドラゴン・ストレート・フラッシュを――! 」 「へー、そりゃあ、すごいが、残念だったな。でも、それには、『赤の龍』があと 二枚足りないぜ」  モヒカン男に悔しそうに睨まれても、彼は、のほほんと笑っていた。  残りの二人も、カードを見せると、それぞれ大きなヤクになりそうなのが、ケイン にも客たちにもわかる。  最初のゲームが終了し、【ディーラー】がカイルに渡したのは、銀貨八枚であった。  賭け金が、全員最低レベルの銀貨一枚であり、下から二番目の小さいヤクなので、 倍率も低かったのだ。  モヒカン男のいうドラゴン・ストレート・フラッシュであれば、ボーナスもあり、 金貨はもらえたところであった。それだけに、彼らは悔しがっていた。


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「いやあ、今日はツイてたぜ! 」  カードゲームのテーブルを離れる際、カイルは、革袋の中身を、じゃらじゃら 言わせてみせた。  ケインにも信じられなかったが、彼は、わざと自信がないよう装ったり、自信あり げだったり、賭け金もハッタリで金額を増やしたり、減らしたり等して、プレイヤー たちの心理を撹乱(かくらん)させては、ちょこちょこと小さいヤクで勝ち続けており、 最後に、大きなヤクで圧勝したのだった。 「見てた俺も、ついアツくなっちゃったぜ。お前、本当に強いなぁ! 」 「賭け事はな。実は、昔、博打の師匠に弟子入りしてな」  ケインとカイルが満面の笑みで、その場を立ち去ろうという時、背後に、大きな 人影が現れた。 「よお、にいちゃん、随分儲けてたな。どうしたら、そんなに勝てるのかね? 」  二人が振り返ると、人相の悪い男が三人、腕を組んで見下ろしていた。  先のゲームの相手たちだった。  ふっと、カイルが肩をすくめて笑う。 「いるんだよなあ、俺があまりにも強いもんだから、ギモン持つヤツがさあ」 「貴様、このところ、昼間も広場でストリート・ファイトをやってるだろ? 金貨 一〇〇枚に美少女付きなんて、気前のいい条件だと思ったら、あの娘があんな武道の 達人だったとは――! な~んか、てめえは、インチキくさいんだよ! 」  モヒカン刈りの頬に傷の入った男が、憎々し気に言う。 「ハッ! そう簡単に、世の中上手くいくと思ったら、大間違いだぜ! 悪いけど、 彼女の腕が確かなのと同じくらい、俺のバクチの腕もホンモノだ」  革袋を肩にかけ、ハンサムな顔立ちをにやっと歪めて笑うカイルは、実際いい男で あると、男のケインでさえ、そう思えた。  現に、何事かと、わらわら集まって来た客の中にいる女性たちの目は、ほとんどが カイルに釘付けであった。 「この八百長野郎が! 」  ボサボサの長髪の男が、太い拳を振り上げ、ピタッと止まった。  カイルがいつの間にか抜き放った剣先が、彼の目の前に突き出されていたのだ。 「あくまでも、いちゃもん付けようってんなら、仕方ねえ! 相手になってやらない こともないが、ここでは、他の客や店に迷惑がかかる。やるんなら、表でやってやる ぜ! この俺の、魔法剣がお相手だーっ! 」  カイルは、あえて、「魔法剣」のところを強調して言った。 「ま、魔法剣? 」  三人はピクッとして、互いに顔を見合わせると、巨体に似合わず、こそこそと、 背を丸めて奥に消えていったのだった。  魔法攻撃をされては、とてもかなわないと思ったのだろうが、彼の魔法は『浄化』 であって、人体には影響はないのだった。  なので、またしても、彼のハッタリであった。  実際、その三人とカイルが戦ったとしても、カイルが勝つだろうということは、 ケインには見当は付いていたが。  魔法剣を、元通り鞘に納めたカイルが、それが格好良い仕草と女たちの目に映る よう、意識的にやっていたと見えたのは、ケインの気のせいではなかっただろう。 「すごいわ! 」 「あの怖そうな三人を、何もせずに追い返してしまうなんて! 」 「その素敵な剣は、魔法剣なの? 素晴らしいわ! 」 「ねえねえ、あんた、どこから来たの? 」 「旅のお話でも、聞かせてよ」  女たちは、一気にカイルに押し寄せた。 「悪いけど、今日は先約があるから。また今度な」  あっさりと手を振り、ケインと博打屋を出るカイルを、女たちは名残惜しそうに、 何も出来ず、ただ見送るのみだった。 「お前も多忙だな。もう先約がいるのか? 」  ケインが苦笑すると、カイルが笑った。 「お前のことだよ」 「えっ? 俺? それは、光栄だな」  ケインもカイルも、顔を見合わせて、笑った。 「いい男ってのは、そう簡単に、がっつかないもんなのさ。じらして、女どもを牽制 (けんせい)させておいて、じっくり選ぶ。慌てなくても、女は逃げていかないからな」 「お前って、女なら、誰でもってわけじゃなかったんだな」 「当たり前だろ? 『来るものは拒まず』なんて、モテないヤツのすることさ。俺が やったら、大変だぜ。世界中の女どもの相手をしてやらなきゃ、ならなくなっちま う! 」  カイルは、わざと大袈裟に肩をすくめてみせ、ウィンクした。  二人は笑い合うと、久しぶりに、酒を飲み明かすことにし、近くの酒場に入って 行こうとした。 「失礼」  後ろから、静かとも、陰気とも言える声がした。  振り返ると、そこには、ケインが、食堂でも広場の人混みでも見かけた、黒い フード姿の男だった。 「なんだい? 何か用か? 」  カイルが、何気なく答える。 「昼間、広場で見かけた者だが、お聞きしたいことがあるのでな。あの時、一緒に いた、赤い服の少女とは、どのようなご関係か? 」  夕暮れは過ぎ、空は真っ暗であり、フードを深々下げているその魔道士らしき男の 顔は、すぐ近くにいる彼らにすら、見えない。だが、声を聞くかぎりでは、それほど 年寄りではないだろう、と見当がついた。 「ああ、彼女か? 知らねえな。ばったり会っただけなんだ。お互い利益になるから、 さっきは一緒にいたけど、それだけだね」  カイルは、何食わぬ顔で、答えた。  男が魔道士独特の平坦な喋り方で、聞き返す。 「本当に、関係ないのか? 」 「ああ。あの娘がどうかしたのか? 」 「いや、彼女の出身は、……実は、東洋ではないのではないかと、思ったもので……。 邪魔をしたな」  男は背を向け、ゆっくりと去っていった。 「よしっ! じゃあ、飲みに行くか! 」 「ああ」  カイルは陽気にペラペラとケインに話しかけていたが、魔道士の気配が完全に なくなるのを見計らって、途端に真顔になった。 「あいつ、何者だろうな? ずっと、俺とマリスのこと、付けてきやがるんだ。 この街にも、当然魔道士はいる。だが、あいつは、明らかに、よそモンの魔道士だ。 雰囲気でわかる」  ケインも、黙って頷く。 「最初は、もしかしたら、俺の魔法剣を狙ってやがるのかと思ってたけど、どうやら、 狙いは、マリスみたいだな」 「まさか、ベアトリクスの追手か、蒼い大魔道士の一派じゃ――? 」  ケインの背筋に緊張が走る。  カイルも真面目な目のままだ。 「わからねえ。だが、それだったら、マリスのことは知ってるはずだろ? いちいち 俺に確かめずに、直接彼女のところに行くんじゃないか? 」 「それも、そうだ。だったら、彼は、一体……? 」 「いよいよウワサの『暗黒秘密結社』のお出ましか? 魔道士だから関わってない、 とは言い切れないもんな」  カイルが顎をさすり、考えながら、静かに切り出した。 「お前、一応、ヴァルにこのことを伝えておけ。敵か味方かわかるまでは、さっきの ヤツには、余計なことは言わない方がいいだろう」  その後は、何事もなかったように、二人は、酒場で、楽しく飲み明かしたのだった。


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「ケインたら、昨日は遅かったじゃないの」 「悪いな。カイルとバッタリ遇(あ)っちゃって、遊んじゃったんだ」 「まあ! あんな人となんて、遊ばなくたっていいじゃないの。私、ずっと待ってた のよ。ケインがなかなか帰ってきてくれないから、ひとりで練習してたんだから」  朝食を食べに、ケインとヴァルドリューズが食堂に行くと、食事を運んできた クレアが、かわいらしく頬を膨らませていた。 「ごめん、ごめん。今日は、早く帰るよ」 「絶対よ」  クレアがカウンターの奥に消え、ケインとヴァルドリューズは、野菜スープを啜る。 「あのさ、ヴァル、昨日――」 「なんか、奥さんと旦那さんみたいだね」  言いかけて、すぐに、話は遮られた。  いつの間にか、テーブルの上で、焼きたてのパンを抱えてぺたんと座っていた ミュミュが、そのくりくりした丸い目で、ケインを見上げている。  ケインは、スープが器官に入りそうになり、ごほごほ噎(む)せた。 「なに言ってんだよ」 「ケインは、クレアにはやさしいのに、ミュミュには、ちっともやさしくしてくれな い。ミュミュがヴァルのおにいちゃんに付いても、全然ヤキモチ妬かないし、かえっ て、嬉しそうだし、全然ミュミュの心配してくれないー! 」  ミュミュが立ち上がって、ケインのスープに、パンをばしゃばしゃ浸(つ)けた。 「こら、やめろよ。なんだよ、いきなり怒り出して、どうしたんだよ? 」 「今の今まで、ミュミュのこと忘れてたくせにー! 」  ミュミュは、プーッと頬を膨らませて、ケインの目の前に浮かんだ。 「ケインは、ミュミュのこと邪魔だったの? いったい、どう思ってるのさ? 」 「どうって……そりゃあ、いつも一緒にいたネコが、突然いなくなって、ちょっとは 淋しくなったような気がする——くらいには」 「ミュミュは、飼いネコかーっ! しかも、『さびしくなった』じゃなくて、『気が する』ていどなのーっ? 」 「えっ? ……ああ、ごめん、ごめん。『気がする」じゃなくて、ホントに淋しいよ」 「ウソだー! 絶対ウソだー! ああ~ん、おにいちゃん! ケインが、ミュミュの こと、実はウザがってて、いなくてせいせいしてるんだよ。ひどいよー! 」  ミュミュが泣きながらヴァルドリューズのスプーンを持つ手の甲によじ登って、 訴える。  が、ヴァルドリューズが、ミュミュの口の中に、野菜の切れ端を突っ込むと、 ミュミュはそのままモゴモゴと、かじり出した。  どうやら、気が反れたようで、ケインは、ホッとした。  ちょっとした一騒動によって、ケインはヴァルドリューズに何を話そうとしたのか、 すっかり忘れていた。


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 食堂を出て、それぞれの仕事先へ向かおうとすると、正面に、人影があった。  それが、どこから歩いてきたものではなく、いきなり、何もない空間から湧き出た ことは、彼らには、すぐにわかった。  ヴァルドリューズの足が止まる。ケインも、足を止める。  人影は、ゆっくりと二人に近付き、ある程度の距離を置くと、立ち止まった。  背は高め、全身を黒いフード付きのマントで覆っている痩せた男。  それは、昨夜カイルとケインに話しかけてきた魔道士で、先程、ケインがヴァルド リューズに知らせようとした人物に、他ならなかった。  男は、重々しく口を開いた。 「まさか、このようなところで遇おうとは、思いもよらなかったが……久しいな、 ヴァルドリューズ」  ケインは、はっとして、隣のヴァルドリューズを見上げた。  彼の表情には、僅かだが、緊張の色が見える。 「お久しぶり。『魔道士の塔』上層部員ベーシル・ヘイド」  二人の魔道士の視線は、既に、絡み合っていた。  魔道士の塔――  その名は、皆が度々耳にしてきたが、一体、どのような組織なのか、魔道士でない 者には、馴染みがない。  ケインには、点の間に引かれた線が、徐々に、うっすらと姿を現してきたような 気がした。


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